料理のさしすせその順番はなぜ?5つの基本を知って美味しく調理
料理の基本とされる「さしすせそ」。
これは主に和食についての調味料とその入れ方の順番を示しているもの。
和食と言われてパッと思いつくのは煮物でしょうか。
きんぴらごぼうや胡麻和え。魚の煮付けなどなど。
ご飯にお味噌汁に…
考えただけでもお腹が空きそうです。
そんな料理の基本の「さしすせそ」ですが、調味料を指しているのは何となく分かるけれど…この順番で入れないと本当にだめ?なぜ?なんて思っている人もいるはず。
そこで調味料のそれぞれの役割と「さしすせそ」の順番に入れないと料理は美味しくならないのか、なぜよいとされているのか解説していきます。
料理のさしすせその順番はなぜ?
料理の「さしすせそ」はなぜこの順番で調味料を入れるとよいとされているのでしょうか。
それはその調味料が持つ役割や特性にあります。
素材を柔らかくしたり、味を浸透しやすくさせたりと、甘い・辛い(しょっぱい)などの味付けだけではなく、素材への働きかけもあるのです。
下ごしらえで「魚の臭みを取るために塩をふる」
こういった調味料の使い方をみると、味付けだけではないことがわかります。
意味のある順番
調味料には味付けだけではなく、素材への働きかけもあると上記で記述しました。
- 素材を柔らかくして、味の浸透を良くする
- 素材の水分を出して締める
- 臭みを取ったりする
- 風味を出す
素材を柔らかくして、臭みを取りたいものにはその調味料をいれ、最後に風味・味付けに必要な調味料をいれる。
さしすせその調味料を入れる順番には意味があることがわかっていただけたでしょうか。
この特性などを活かして、和食は料理されているんですね。
順番を守らないと美味しくない?
ここまでみてきて料理、主に和食に関しては調味料の「さしすせそ」の順番でいれるのが美味しく作るコツだとわかったと思います。
だからといって、必ずこの順番で入れないと和食が美味しく作れないわけではありません。
味を染み込ませたい場合は味付けをしたい調味料を入れて煮込んでから味を整える段階で、甘みや塩味を足したりすることもあります。
「何事も臨機応変に」ですよね。
ただ基本を覚えて調味料を使用するのとわからずにやみくもに使うのとでは、仕上がりや味に影響が出ます。
せっかくなので、調味料の役割・特性を知ったうえで「さしすせそ」を意識しながら美味しい料理を作りたいですね。
料理の基本のさしすせそ
料理の「さしすせそ」が何を指しているのか。
そしてそれぞれにどんな役割や特性があるのか知っていますか?
「さしすせそや役割、しっかり知っている!」という人もいれば「うーん、あいまい…」なんて言う人もいるかも知れません。
調味料の一文字ずつを取って「さしすせそ」となります。
もしかして勘違いもあるかも?
そこで和食には欠かせない調味料の「さしすせそ」が何か、それがどんな役割や特性があるのか紹介します。
知っている人も、それぞれがどんな役割や特性があるのか改めてチェックしてみてください。
「さ」は「砂糖」
はじめは「さ」。
これは甘味料の「砂糖」を指します。
「さ」なので料理酒を思い浮かべて「酒」の「さ」だと思っている人もいるかも知れませんね。
私もはじめは「砂糖?」「あれ?酒?」と何度も思いました。
砂糖はたしかに料理に甘みを加えるものでもありますが、実は素材をやわらかくして他の調味料を浸透しやすくする役割があります。
甘いだけではなくしっかり働いています。
「し」は「塩」
次は「し」。
これは「塩」のことを指します。
はじめは「しょうゆ」と勘違いしそうですよね。
しょうゆは和食の基本だから早めにいれるのかな〜、しっかり味を染み込ませるのに早く入れよう!なんて。
何より「し」だし…なんて。
「塩」は粒子が細かいため浸透するのが早く、素材の水分を出して締める役割があります。
素材の余分な水分を出して締めるとき、調理前に少しふったりしますよね。
粒子の大きい砂糖が浸透しにくくなるため、使用する場合は砂糖の後に入れます。
また素材を締める役割もありますが、なんかひと味足りないな〜なんてときに使用すると、味がぐっと引き締まります。
「す」は「酢」
「す」はそのまま「酢」のこと。
酸味が苦手な人は、ついつい買うのを後回しにしてしまっているかも知れません。
あとは手軽な調味酢なら持っているという人も。
酢は酢の物を作るだけではありません。
アク抜きにも使えますし、煮物では生臭さをとったり、骨離れを良くする働きがあります。
その役割の特性上、使用する時は早めに入れますが、風味がとんでしまうため酸味を出したい時は仕上げに加えるとよいです。
「せ」はしょうゆ
「せ」はしょうゆです。
むかしは「せいゆ」と言っていたそう。
なんだか初めのうちはピンとこないので、塩のときと一緒で「し」はしょうゆ、「せ」は…ん…あれ?となるかも知れませんね。
味付けをする調味料でもありますが、風味を楽しむものでもあります。
しょうゆは熱を長い時間加えると風味がとぶので、風味を損なわないように後の方にいれるのがベストです。
あとは塩と同じ締める働きもあるので、茹でた野菜の水分を取るために少量ふったりもします。
「そ」は「みそ」
最後の「そ」は「みそ」をさします。
みそは最後の文字を取るんですね。
ここで最後の文字を取るなんて最初は覚えにくかったです。
「し」はしょうゆ?
「そ」はソルト?いきなり最後は英語?
もうめちゃくちゃです。
みそはしょうゆと同じで風味を楽しむ調味料でもあります。
熱を加えすぎると風味がとんでしまうので、後の方に入れます。
味噌汁を作るときも最後に入れて、沸騰させないですよね。
料理さしすせそ以外の調味料の順番
ここまで解説してきて足りない調味料があります。
それは和食には欠かせない「みりん」や「料理酒(日本酒)」。
ではどのタイミングで入れればいいのか疑問に思っている人がいるかも知れません。
そこで「さしすせそ」には入っていない、みりんや料理酒(日本酒)についても解説します。
料理酒(日本酒)
料理酒(日本酒)はうま味をアップさせたり、素材の臭みを取る働きをします。
「さ」の「砂糖」とセットで「さけ」と覚えるといいですね。
ただ日本酒ではなく料理酒を使用する場合は、塩が入っているので砂糖の後に投入したほうがいいです。
塩分が気になる方は、熱を加えるので安い日本酒で十分に使えます。
みりん
みりんはどのように使用したいかで入れるタイミングが違います。
甘みをつける目的であれば砂糖や料理酒を入れるタイミングで。
砂糖の甘みが苦手な人はみりんだけで十分に甘みがつきます。
照りをつけたいのであれば、仕上げにさっと回し入れる。
照り焼きを作る時の要領です。
料理のさしすせそで調理する
実際にさしすせそを意識して料理をしてみましょう。
今まで意識しないで、ただただレシピを見て漠然と料理していたときと気持ちも違ってくるかも知れませんね。
私は意識して調理するようになってから、出来栄えや味が少し変わったような気がしました。
自己満足も入っていますが(笑)
そうすると料理も楽しくなり、さらにワンランクアップを目指して色々とレパートリーを増やしていったのを覚えています。
ここでは簡単で味の決まりやすい「きんぴらごぼう」と「豚汁」を紹介します。
レシピ記事ではないので、簡単に紹介しますね。
きんぴらごぼう
惣菜で買うのもいいけれど、自分で作ると美味しさは格別。
ごまの香りが食欲をそそります。
材料
- ごぼう(千切り・ささがきお好みで)
- 人参(切り方はごぼうとそろえて)
- だし汁(少量)
- 砂糖
- しょうゆ
- みりん
- 白ごま(お好みで)
ごぼうと人参をしんなりするまで炒め、少量のだし汁・砂糖を加えて火を通す。
しょうゆを入れて味を整え水分を飛ばしたら、みりんを回し入れてさっとかき混ぜて火を止める。
白ごまをふる。
ここでは「みりん」は照りを出すために使用しています。
砂糖の代わりに甘みで使用する場合は、砂糖のところで加えてください。
さらに照りがほしい時は、最後にさっと足し入れます。
役割によって入れる順番が少し変わります。
豚汁
豚汁は大根の美味しい季節の寒い冬に食べるのは最高ですが、具たくさんで身体にやさしいので年間を通して食べたいですね。
大根の代わりに違う野菜でも美味しいです。
材料
- 豚バラ薄切り肉
- 大根
- 人参
- ごぼう
- こんにゃく
- ねぎ
- だし汁
- 酒
- みそ
材料をいちょう切りなど、お好みの大きさに切ったら、お肉に火が通るまで炒める。
野菜を入れさっと火を通したら、だし汁を加える。
沸騰したらアクを取り、酒を加えて野菜が柔らかくなるまで煮込む。
野菜が柔らかくなったら、みそを溶かし入れてねぎを散らす。
酒は豚汁のうま味をアップさせる役割があります。
みそは風味が飛ばないように最後に入れて仕上げますが、野菜に味をしっかり染み込ませたい場合は火を止める少し前に入れ、少し煮込んでから仕上げにみそを足し入れて味を整えると良いでしょう。
まとめ
「さしすせそ」の順番で調理をするとなぜよいのか。
料理の基本「さしすせそ」には意味がありました。
さしすせその順番で入れるとよいとされているのは、科学的にも証明されているそうです。
ただ、美味しい料理は科学を考えて作るものではありません。
食べてくれる人を想って心を込めて作る料理は素敵です。
「さしすせそ」の基本の順番は主に和食でのものですが、調味料の役割や特性を知って上手に使い分けるのはどの料理にも共通すること。
味がよくきれいな仕上がりで出来上がった料理を見るときっと幸せな気分になれるはずです。
いつも「なぜ?」とは考えないとは思いますが、基本を知って順番等を気にしながら、ワンランク上の料理を楽しんでください。