「国宝」吉田修一の小説のあらすじを紹介!ネタバレありで喜久雄の壮絶な歌舞伎人生を解説!

映画化がされた吉田修一の小説「国宝」。
2025年6月6日(金)に公開です。
そんな吉田修一の「国宝」ですが、1人の少年・立花喜久雄が昭和の歌舞伎界を栄光と挫折の中、歩んでいくお話です。
ここでは喜久雄の壮絶な歌舞伎人生が描かれた「国宝」のあらすじをネタバレありで解説していきます。
どんな壮絶な人生を歩んだのか。
吉田修一のこの小説は上巻の「青春編」と下巻の「花道編」がある長編です。
ネタバレではありますが、あらすじを知って映画を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

上・下巻の超大作!どんなお話なんだろう?

歌舞伎がわからないボクでも楽しめるかな?
あらすじをネタバレありで知る吉田修一の小説「国宝」

吉田修一の「国宝」とはどんなお話なのでしょうか。
歌舞伎役者として人生を歩んでいく喜久雄の成長が描かれたこのお話。
嫉妬や権力争いなどの数々の試練を乗り越え、1人の少年が「国宝」と呼ばれるまでの人生を描いた小説です。
壮絶な歌舞伎人生のあらすじをネタバレありで詳しく解説していきます。
昭和の歌舞伎界が舞台!喜久雄の運命に迫る
物語の主人公・喜久雄は長崎で生まれました。
父親はヤクザで母親は喜久雄が幼い頃殺害されてしまいます。
そんな壮絶な家庭環境で育った喜久雄は、歌舞伎の世界に身を置くことになります。
歌舞伎界という血筋やコネがものを言う世界です。
そんな中で喜久雄は努力と根性で女形として歌舞伎界の頂点に立つことになります。
ただ頂点に上り詰めるまでには嫉妬や陰謀、仲間との葛藤など、一筋縄ではいきませんでした。

厳しいしきたりなどもあるから、想像を絶する苦難がきっとあったんだろうなぁ
前編・後編で描かれる喜久雄の壮絶な人生とは?

喜久雄の歌舞伎人生が前編・後編にわかれて長編で描かれている「国宝」。
前編、後編はどのような内容になっているのでしょうか。
前編・後編に分けて詳しく解説していきます。
前編(青春篇)
前編では「青春編」として、喜久雄の少年時代から歌舞伎界に身を置くことになる青年期までが描かれています。
親を亡くした喜久雄は、歌舞伎の名門である花井家に住み込みで修行をすることになりました。
どんどん才能を開花させていく喜久雄でしたが、血筋もコネもない彼に嫉妬や妨害もあり、何度も挫折を味わいます。
それでも努力を重ね芸に磨きをかけ、女形のトップスターへと駆け上がっていきます。
そんな喜久雄に運命的な出会いがあります。
裏社会と繋がりのある彼女との関係も波乱に満ちていて、一つの見どころかもしれません。

その恋の行方も気になるなぁ
後編(花道編)
後編では喜久雄が名実ともにトップスターとなり、「国宝」と呼ばれるまでが描かれています。
様々な犠牲を払い、長年のライバルでもある俊介との確執を乗り越えて喜久雄は「国宝」と称えられるまでになりました。
その栄光の裏には家族との疎遠や病・孤独と戦う壮絶な喜久雄の姿がありました。
そして何より芸に対する狂気とも言える執念が描かれています。
最後は演目を演じ終えた喜久雄は衣装を着たまま、夜の銀座の交差点へと歩いていきます。
そしてそのまま…
そのあとは読者であるあなたに判断が委ねられます。
歌舞伎に人生を捧げ「国宝」とまで呼ばれるようになった喜久雄はどうなったのでしょうか。

ボクは女形の喜久雄が豪華な打ち掛けをまとったまま迎えるラストシーンは繊細さと儚さとが入り混じった場面を想像したなぁ

どうなったのかが気になる〜!
「国宝」の主人公・喜久雄の人生と成長の軌跡

ここまで吉田修一の小説「国宝」のあらすじを、ネタバレありで解説してきました。
歌舞伎の世界に生きる天才・喜久雄の壮絶な波乱に満ちた人生を描いた小説です。
読み始めたら、きっと喜久雄が挑む歌舞伎の世界に引き込まれることでしょう。
歌舞伎に出会ってから最期まで芸に身を捧げた壮絶な人生。
歌舞伎との出会いや過酷な道とはどんなものだったのでしょうか。
孤独な少年時代と歌舞伎との出会い
親との死別などで孤独な少年時代を過ごした喜久雄。
そんな喜久雄が歌舞伎に出会うことによって、自分の居場所を見つけます。
持って生まれた美貌と才能により、関西歌舞伎の名門・花井家で女形として修行が始まります。
ただその居場所は喜久雄にとって新たな壮絶で苦難の連続でした。

親と死別して出会った歌舞伎!
その運命的な出会いが喜久雄の人生を変えたんだね!
栄光と挫折で喜久雄が歩んだ過酷な道
喜久雄の才能は早くから開花し、歌舞伎界で「国宝級」と言われるほどの存在になりました。
その輝かしい栄光の裏には数々の試練がありました。
ライバルとの確執や嫉妬や裏切り、スキャンダル。
そして師匠の病や死とも直面します。
どんどん孤独になっていく喜久雄でしたが、芸に全てを捧げ舞台に立ち続けました。
最後は人生の重みと芸の極みに到達した喜久雄の姿が描かれ、彼の歩んだ過酷な道のりと成長が強く胸に残る小説です。

数々の苦難を乗り越えて努力と執念によって手にした歌舞伎界の頂点。
自分には何があるのか考えさせられちゃうなぁ
吉田修一の「国宝」が描く歌舞伎の世界

吉田修一の「国宝」は、歌舞伎界を舞台にした主人公の立花喜久雄の波乱万丈な人生を描いた長編小説です。
幼少期の孤独から始まり、喜久雄が芸に身を捧げ「国宝」と呼ばれるまでになる物語です。
歌舞伎の厳しさや栄光を手にするための裏側などがリアルに描かれています。
いっけん華やかに見える世界の裏には、血のにじむような努力と葛藤があるということが吉田修一ならではの描写で描かれた小説です。

吉田修一が3年以上にもわたる取材を重ねて描かれた小説なんだって!
吉田修一が描くリアルな歌舞伎界とは?
「国宝」はリアルな描写で知られる吉田修一だからこそ描けた小説でもあるといえるかもしれません。
芸の継承やライバルとの確執、師弟の絆や嫉妬・スキャンダルなど伝統芸能の世界に生きる役者の葛藤や苦悩が細やかに描かれています。
リアルな人間関係や舞台裏の緊張感も伝わり、歌舞伎を知らなくてもその世界に自然に引き込まれていきます。

読み始めたら止まらなくなりそう!

時間を忘れて引き込まれる感じがたまらないよ!
実際の歌舞伎と比較するとどんな違いがある?
吉田修一の「国宝」は実在の歌舞伎役者がモデルと言われています。
そして実在の歌舞伎界を思わせる描写がたくさんありますが、実際の歌舞伎界とは異なることもあります。
喜久雄のような血縁のない一般庶民が歌舞伎の名門に養子入りして、女型として頂点に立つなんてことは、現実ではまずと言っていいほどありえません。
ただこうした設定が、歌舞伎を知らない人でも「国宝」という小説の世界に入り安くなっているのかもしれません。

モデルとなった方のエピソードも所々に反映されていて、現実と非現実との絶妙なバランスが魅力のひとつなんだよ
まとめ

吉田修一の小説「国宝」のあらすじをネタバレありで解説しました。
歌舞伎界のリアルさもありながら、一人の人間の人生を描いた小説です。
歌舞伎界の厳しい世界に身をおいて様々な困難に立ち向かい「国宝」と呼ばれるまでになった一人の人間の物語です。
非現実なところもありますが、細やかに描写された歌舞伎の世界は、歌舞伎に馴染みのない人でも楽しめる物語になっています。
あらすじだけではなく、実際に本を手にとって読まれることをおすすめします!
吉田修一の小説「国宝」で日本伝統である歌舞伎を違う形で楽しんでみてはいかがでしょうか。

文字が苦手な人は漫画もあるよ!