「悪い夏」のあらすじをネタバレで解説!染井為人が描く7つの衝撃的な物語とは?

2025年3月20日にロードショーの「悪い夏」。
このお話は、染井為人が人間の欲望や闇を書いた作品です。
ここではそんな「悪い夏」の原作のあらすじをネタバレありで解説していきます。
映画を観たい人も原作とは異なるところもありますが、どんなお話かネタバレありであらすじを知ってみるのもいいですね。
原作のあらすじを知りたい人もネタバレがありますが、参考にしてみてください。
「悪い夏」の7つの物語のあらすじをネタバレで紹介!

染井為人の小説『悪い夏』は、ごく普通の公務員が裏社会に引きずり込まれ、破滅へと転がり落ちる物語です。
生活福祉課に勤める佐々木守がこの物語の主人公です。
シングルマザーの林野愛美と出会い、次第に犯罪の世界に巻き込まれていく様子が描かれています。
彼を待ち受ける運命とは?
物語の展開を7つの視点で詳しく紹介していきます。

生活福祉課の普通の人が裏社会にどうやって引きずり込まれるんだろう?
佐々木守の転落の始まり
この物語の主人公の佐々木守は、市役所の生活福祉課に勤める26歳の公務員。
そこで同僚・宮田から「先輩の高野が生活保護受給者の女性に不適切な関係を迫っている」と相談を受けます。
気弱ながらも真面目で正義感のある彼は、真相を確かめるために動き出します。
ただそこから彼の人生は狂い始めます。

佐々木守、彼の正義感のある性格が災いしてしまったんだね

狂い始めたというのが裏社会に引きずり込まれたってことかぁ
シングルマザー愛美との出会い
宮田から受けた相談の件を確かめるため、佐々木は生活保護受給者のシングルマザーの林野愛美の家を訪ねます。
幼い子どもを抱える彼女は、育児に疲れ虐待をしていました。
愛美は佐々木に対して親しげに接し、佐々木は次第に彼女に惹かれていきます。
そんな佐々木は彼女を助けたいという気持ちが芽生えます。
しかし、彼女の背後には危険な影が潜んでいました。

シングルマザーの愛美との出会いが佐々木の人生を狂わせていくんだね

彼女が裏社会につながっていたなんて!
裏社会との接触
愛美の背後には、裏社会の住人・金本龍也という男がいました。
金本は、生活保護の不正受給を利用した犯罪計画を進めており、愛美もその一端を担っていたのです。
佐々木は、愛美を救いたい一心で彼女の問題に関わろうとします。
ところがだんだん犯罪計画へと巻き込まれることになるのです。

佐々木守はどうなっていくんだろう?
犯罪への加担
愛美を守るため、佐々木は気づけば金本の犯罪に手を貸すようになっていました。
最初はほんの少しの手助けのつもりだったはずなのに、次第に後戻りできない状況に追い込まれていきます。
公務員という立場にありながら、不正に手を染めてしまう佐々木。
罪悪感と恐怖に苛まれながらも、彼は抜け出すことができなくなっていきます。

普通の公務員だった彼が闇落ちしていくところだね

ほんの些細なことから闇落ちしていくなんて怖いね
山田吉男の計画
佐々木守が担当する生活保護受給者の一人です。
山田は偽の診断書を書いてもらい生活保護を不正受給していました。
その山田は佐々木を利用して、更にお金を手にするための計画を企てます。
そして林愛美に協力するようにその話を持ちかけました。

実はこの計画は金本にバレてしまうんだよね

山田も金本とつながっていたんだぁ!
薬物の依存
佐々木は薬物に手を染めるようになってしまいました。
きっかけは林愛美から嘘をついて渡されたMDMAを飲んだことでした。
EDだった佐々木に林愛美はバイアグラと言って渡したものでした。
その後佐々木は薬にハマっていき、覚醒剤にも手を染めるようになっていくのです。

どんどん闇に落ちていくんだね
衝撃の結末
最後は衝撃の結末が待っていました。
佐々木は包丁を持ち出し、愛美にその刃を向けるのです。
その後愛美の部屋に、高野がサバイバルナイフを持って乗り込んできました。
そして山田・金本をはじめ、宮田までも集まり修羅場と化します。

みんなどうなっちゃうんだろう?

どうして高野や宮田も集まったのか気になるところだね。
「悪い夏」の基本情報をチェック!

ここまでネタバレありで「悪い夏」のあらすじをみてきました。
染井為人の小説「悪い夏」は、普通の公務員が裏社会に巻き込まれ、破滅へと突き進む物語です。
生活保護制度を舞台に、人間の欲望や社会の闇がリアルに描かれています。
特に、主人公・佐々木守がシングルマザー・林野愛美と関わることで運命が狂い始める展開は見どころの一つ。
ここではそんな「悪い夏」の基本情報を紹介したいと思います。
著者・染井為人の情報をチェック!
著者は染井為人(そめい ためひと)で、小説家・脚本家です。
「悪い夏」は第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞しました。
「悪い夏」で注目を集めた彼は、日常の裏側に潜む闇や、普通の人々が転落していく様子を描く作風が特徴的です。
読者を物語の世界に引き込む力があり、一度読み始めると止まらないほどの没入感があります。

確かに読み始めると止まらない!
「悪い夏」のジャンルや特徴をチェック!

ここではジャンルやどんな特徴があるか紹介するよ!
『悪い夏』はミステリー・サスペンスに分類されますが、単なる謎解きではなく、社会派小説としての側面も持っています。
この物語は市役所の生活福祉課が舞台になっています。
生活保護制度の実態をリアルに描きながら、普通の公務員が犯罪に巻き込まれていく過程を描き出します。
本作では「夏」の鬱陶しさが象徴的に描かれており、季節の重苦しい描写が物語の展開とリンクしています。
爽快感とは無縁で、読者に心理的な緊張感を与える構成となっています。
また、登場人物の心理描写が細かく、読者は「もし自分だったら?」と考えずにはいられません。
スリリングな展開と人間ドラマが絡み合う、深みのある作品です。
サスペンス小説が好きな方はもちろん、社会問題に関心がある方にもおすすめの一冊です。
「悪い夏」と似た雰囲気の染井為人の作品おすすめ3選!


染井為人の他の作品が気になった人に、「悪い夏」に似た他の作品を紹介するよ!

他にはどんなのがあるんだろう?
『正体』
『正体』は、ある殺人事件の容疑者が逃亡を続けながら、それぞれの土地で違う「顔」を持って生き延びようとするサスペンス小説です。
ドラマ化や最近は映画化もされて知っている人も多いかもしれません。
名前を変え、職業を変え、次々と新たな人生を作り出していく主人公。
しかし、逃げ続けるうちに彼の「本当の正体」が浮かび上がっていきます。
『悪い夏』と同じく、社会の影に生きる人間の心理や、逃げ場のない状況に追い込まれるスリルが魅力の作品です。
『正義の申し子』
『正義の申し子』は、引きこもりの青年がネット上で「正義の申し子」を名乗り、悪徳業者を追い詰める物語です。
一見痛快なストーリーですが、次第に事態は思わぬ方向へ進みます。
主人公が抱える矛盾や葛藤が描かれ、現代社会の光と闇を浮き彫りにする内容となっています。
この作品は『悪い夏』と同様に、人間の本質や社会問題を鋭く描きつつ、スリリングな展開で読者を引き込みます。
『鎮魂』
『鎮魂』は、日本一有名な半グレ組織を題材にした社会派ミステリーです。
実際の事件をモチーフにしつつ、人間関係や社会の不条理さを深く掘り下げています。
登場人物たちはそれぞれ葛藤や矛盾を抱えており、その心理描写がリアルで切迫感があります。
『悪い夏』と同様に、善悪の曖昧さや人間模様を描き出しており、読者に強い印象を残す作品です。
染井為人の作品はどれも、人間の暗部や社会問題をリアルかつ鋭く描いています。
『悪い夏』が好きな方には、この3作品もぜひおすすめです!
読んでみてください!

「正体」はドラマや映画も見たけれど、原作には引き込まれてあっという間に読んじゃった!
まとめ

今回は映画化された染井為人の小説「悪い夏」のあらすじをネタバレで紹介しました。
市役所の生活福祉課で働く佐々木守が主人公のこの作品。
ごくごく普通の人だった佐々木がちょっとしたきっかけで闇に落ちていくお話です。
あらすじをネタバレで紹介しましたが、引き込まれる緊張感は読んでこそできる体験です。
「悪い夏」を映画で見るのもいいですが本を手に取ってぜひ読んでみてください。